自家農園を持つ創作フレンチレストラン「ロカフォーレ」
※ 閉店しました。
モダン・キュイジーヌの店「ロカフォーレ」は、新鮮な地元の食材を使った創作フレンチ・レストランです。デウィ・シタ通りの中ほど、橋のたもとにある完全室内の一軒家で、外からだと中が見えないので、はじめは何のお店だろう?と思っていました。後で非常に人気のレストランで、予約無しでは絶対に入れないと聞き、今回、事前にディナーの予約を入れました。夕暮れ時に訪れてみると、ライトに照らされ「LOCAVORE」の看板がぽっと浮かんでいて、期待も高まります。
天井の高い室内は照明が落とされて少し暗い落ち着いた印象です。シンプルな内装で、それほど広くない店内に2名用テーブルが7卓、4名用テーブルが2卓、そして大きなテーブルとカウンター席があり、エアコンが効いています。オープンキッチンでは、大勢のスタッフが忙しく働いていました。ドレスコードは特に無いようで、ラフ過ぎなければオーケーのようです。
メニューは現在、昼&夜同じメニューで5コース(Rp.475,000)と7コース(Rp.547,000)のセットコースのみです。これにサービスチャージ8.5%と税金10%が加算されます。なお、お肉が食べられない方向けに、ベジタリアン用のコースも用意されています。女性なら5コースでも充分満足できると聞いていたので、そちらを選択しました。ワイン等も注文できますが、アルコールが駄目な私たちは、モクテルのモヒート(Rp.42,000)とグリーンアイスティー(Rp.42,000)で乾杯。
まず、アミューズとして、バヤム(ローカルのほうれん草)やポテトの揚げ物にシイタケの焼き物、フルーツのピクルス等がサーブされ、早くもテンションが上がります。続くトマトのソルベに温かいトマトスープがかけられた一品は、見た目もとっても可愛いく、ソルベとスープの温度差も楽しめます。サービスで出て来るパンには色の鮮やかなバジル、パッションフルーツ、レバーペーストが添えられて、こちらも色合いが本当に綺麗です。
このような流れで海老&スイートコーン、白身魚、兎のソーセージ、牛肉のお料理とお皿が続きました。野菜等はウブド郊外の自家農園から採ってくるそうですが、どれも素材が新鮮で一口味わう度に「美味しい〜♪」とつぶやいてしまいました。
仕上げのデザートは、ヨーグルト・ソルベと80%カカオのチョコレートで、これもイケておりました。これで終わると思ったら、最後にドーナツとマドレーヌ、マンゴスチンのおまけもついて、心もお腹も大満足です。ふと気が付けば、店内は全て満席。食事中に何組か予約無しのお客さんが入ってきましたが、全てお断りされていました。平日なのにすごい賑わいですね。
オーナーシェフは、以前アリラ・ウブドのシェフもされていたオランダ人、エルクさん(Eelke Plasmeijer)で、キッチンで懸命にお料理を作っている姿が見られました。バリの多くの有名レストランが、海外からの珍しい輸入食材を使って趣向を凝らす中、ロカフォーレは地場産の食材にこだわっているのが特徴です。それをシェフの現代的アイディアと調理法で、どの料理も芸術的な盛り付けで絵画のように美しく、変わった食材を組み合わせてあるのに、優しく繊細、ユニークな味付けで本当に愉しめました。
ちなみに「locavore」とは、英語の「local(= 地元)」に、フランス語の「-vore(=~を食する生物」とを併せた造語で、近年広まっている言葉です。日本の「地産地消」に近く、地元の食材を使うことで輸送コストを削減し、また近くの見知った農家が生産したものは食の安全にもつながるという考えがベースになっています。
「ロカフォーレ」でのディナーは、あっという間の驚きと興奮の2時間弱でした。2013年11月にオープンしたまだ若い店ですが、バリ島の他のフレンチとはちょっと違った独創的なお料理が楽しめるので、また機会をみてリピートしたいです。
by キャサリン(2015/03)