「ザ レギャン」の1ベッドルームデラックススイートに宿泊しました
【チェックイン】
ザ レギャンに初めて訪れました。賑やかなスミニャックのメイン通り(Jl.Oberoi)を抜けると周囲の雰囲気は一変し、落ち着いた佇まいのホテルが何軒か建ち並びます。きれいに植栽された椰子の木に隠れるように、しかしながらひときわ目を惹く褐色の三角屋根と白亜の外壁が私を迎えてくれました。
エントランスから対称形に左右にまっすぐに伸びる石柱の廊下、石壁とダークブランの建材との対比が美しいロビー。ホテルの第一印象って、到着した時にある程度決まってしまうと思いますが、これを見た瞬間、完全に心を鷲掴みされてしまいました。一目惚れと言ってもいいでしょう。まだチェックインも済ませていないのに、すでに「ここに来ることができて良かったな」と思ってしまったほど。
チェックイン手続きのため、ラウンジのソファに案内されます。ソファに座ると建物の向こうにスミニャックの海が正面に見えました。建物の外観と雰囲気にすでに圧倒されていた私は、このロケーションを目の当たりにして、もう一度圧倒されることになったのでした。
チェックイン時に、パスポートに記載されている名前を確認しつつ、「お名前をなんとお呼びすればよいですか?」と尋ねられました。苗字でも名前でも、あるいはニックネームでもお好きなものを・・・ということで、リクエストした呼び名はチェックアウトまで、すべてのスタッフさんが統一して使ってくれます。たとえば出かける際にルームキーを預けるときも、用事を頼みたくて部屋からコールするときも、朝食時に話しかけてくれたスタッフさんも。
今回、案内された部屋はザ レギャンの最上階、135号室「1ベッドルーム デラックス スイート」です。
スタッフさんに案内されて部屋の前に到着した時には、ポータースタッフさんがちょうど部屋にスーツケースを運び終えたところで、とびっきりの笑顔で「今、部屋に荷物を入れておいたよ!」と声をかけてくれました。フロントスタッフさんたちが「プロフェッショナルなホテルマンよ」とでも言わんばかりのスマートな雰囲気を醸していたので、自分がこのホテルに泊まることが場違いな気もして、なんとなく緊張していたのですが、このスタッフさんの素朴な笑顔を見たら、心がなごみ、緊張が一気にほぐれたような気がします。
なお、ホテルのスタッフさんとの会話は基本的に英語になりますが、ザ レギャンには日本人女性スタッフさん1名がゲストリレーションとして勤務しています。
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【客室】
部屋に入るなり、心地良い音楽が耳に飛び込んできました。部屋のあちこちを音が飛び回っているような広がりのあるサウンドがとても印象的で、スタッフさんに尋ねるとこの音楽はGHMグループオリジナルのものだそうです。さすがBOSEのサウンドシステム!と思ったのは言うまでもありません。この曲は部屋に備え付けられている2台のiPodに入っていて、Dock Station経由でBOSEのサウンドシステムが利用できます。備え付けのiPodは滞在中は自由に持ち出して好きな場所で聴くことができます(iPodを自身のPCに接続して上書きや消去をするのは不可)。iPod対応のDock Stationに私物のiPhone/iPodを挿して、あるいはCDプレーヤーで自分の好きな音楽を高品質なサウンドで楽しむことができます。
室内は入り口の正面にリビングスペース、リビングの奥にベッドルーム、ベッドルームに隣接してバスルームがあるスイート仕様です。角部屋ということもあり三方向に窓があり、とても明るい部屋です。
リビングスペースは、4人掛けの大きな円形テーブルとソファセット&デスクがあり、間仕切りを兼ねた背の低いテレビキャビネットは360度回転するので好きな角度からテレビが視聴できます。テレビは多チャンネル対応でNHKワールドも視聴可能、DVDプレイヤーが付いていて、テレビのチャンネル一覧のほかにDVDソフトの貸し出しリスト(英語表記)があり、そのラインナップも豊富で、私の短い滞在期間ではそのリストを読破することさえもできませんでした(笑)。
さて、オン ザ ビーチのホテルに泊まるとなれば、その眺望についても気になるところです。バルコニーからの眺めは、庭の綺麗に刈り揃えられた芝生と椰子の木の葉の緑とその彼方に広がる海と空の青の対比が美しく、まさに「爽快」という言葉がピッタリです。
ちなみに、私が宿泊した部屋にはリビングに面したデイベッドが置かれたバルコニーのほかにもう1つバルコニーがあり、デッキチェアが置かれていました。デッキチェアがあるバルコニーは屋根がなく、建物の構造上、誰も立ち入ることも覗きこむこともできない極上のプライベートスペースです。さんさんと降り注ぐ太陽の下、何にも邪魔されずにのんびり日光浴をしたい人には最高のスペースでしょうね。
ベッドルームとバスルームにはいずれも窓があり、それだけでもとても清潔感を感じます。ビルディングタイプのホテルの場合、バスルームが薄暗かったりすることも多々ありますが、そんな常識をも覆す、技ありの間取りがとても気に入りました。また、ベッドの枕元にも窓があるため、昼間はエアコンの効いた部屋のベッドの上で読書しながらごろごろするのも快適なのです。潮風が心地良いバルコニーのデイベッドと、ベッドルームのベッドの上と、どちらでごろごろすべきか?という、非常に贅沢な悩みを抱える羽目(笑)になりました。
バスルームは、ゆとりのある広さの中にツインボウルの洗面台、大容量のクローゼット(中にセイフティボックス有り)、バスタブ、シャワーブース、ビデ付きトイレがレイアウトされています。とりわけユニークなのが洗面台で、シンクが2つ並ぶのではなく、アイランド型のカウンターに互い違いに設置されています。ザ レギャンのロゴが入ったオリジナルの各種アメニティが整然と並べられたさまは、インテリアの素材感とも相俟ってとてもスタイリッシュな印象です。
なお、バスルームにもBOSEのスピーカーが付いているので、リビングで流している音楽をバスルームでも楽しむことができます。バスルームの窓にもウッドブラインドがあり、外から覗かれないように完璧に防御することも、朝の太陽の光を採り入れながらすがすがしくバスタイムを楽しむことも思いのまま。備え付けのタオルやリネン類の質感も秀逸で、ふんわりしたバスタオルに体が包まれる幸せもさることながら、部屋に備え付けのスリッパの履き心地には感動しました。
日差しが和らぐ夕方は、ホテル敷地内の散策にも絶好の時間帯です。クローゼットにはビーチバッグが備え付けられているのでこれを持ってビーチに出掛けましょう。ザ レギャンのルームキーには、大きな貝のキーホルダーが付いていて、ポケットに入れて持ち出すのは少し無理があるんですが、そんなとき、このビーチバッグは重宝します。ルームキーには部屋番号などの手がかりが一切記されていないので、チェックイン直後などで自分の部屋番号に自信がないようなときはチェックイン時に渡される、ルームナンバーが記されたカードを持つようにすると安心です。
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【デザイン】
ザ レギャンの敷地内は、徹底された「左右対称の美」という言葉に尽きます。設計者のこだわりと確信、自信に満ちた美意識が伝わってくるようです。シンプルでありながら揺るぎのない美しさとでもいうのでしょうか。私はホテルの建物そのものが持つ魅力とコンセプトにとても惹きつけられたのでした。
ザ レギャンといえばビーチを臨む二段プールが象徴的な存在ですが、実際に訪れてみるとそのプール、レストラン、ロビーを基準にホテル全体が左右対称を成す様式美もまた、ザ レギャンを特徴付ける象徴だということに気づきました。この様式美は機能美にも通じていて、敷地内を歩き回るにも効率がとても良いんです。
ホテルの建物は白い外壁が印象的ですが、近づいてみると外壁や床に使われている白い石材ひとつを見ても、場所によって異なる石材が複数用いられていることがわかります。これらは日差しの差し込む角度や時間帯によって様々な陰影と色彩を生み出し、直線的な設計の中に柔和な表情を添えます。この陰影さえも設計者にとっては計算尽くなのでしょうか。あれこれ憶測を巡らせば巡らすほど楽しくもあり、難解でもあり。こういう風にひとつの建物を興味深くじっくりと眺めたり、素材のおもしろさを感じ取ったりしたのは、私にとって初めてのことでした。
さて、ビーチまでやってきました。サンセットはもうすぐです。
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【施設&サービス】
ホテルの前のビーチとホテルの敷地との間には石垣によって境界が作られ、ビーチを監視するガードマンさんとライフセーバーさんが常駐し、がっちり見守っていてくれます。海に向かって整然と並んだビーチチェアの中からお気に入りの場所を選んで腰を下ろすと、すぐさまスタッフさんがやってきて、ビーチタオルをセッティングしてくれました。日中であれば、さらにミネラルウォーターとおしぼり、ローションも用意してくれます。
プールに浸かりながら夕日を眺める家族連れ、プールの脇にあるバーのソファでゆったりとカクテルを楽しむ老夫婦、バルコニーのデイベッドで語らうカップル・・・。心温まるシーンがあちらこちらで繰り広げられる中、夜を迎えます。
辺りが暗くなると、レストランやプールサイドはキャンドルによるライトアップが行われ、昼間とは異なる幻想的なムードになります。部屋に戻るとリビングとバスルームの花瓶に活けられたスダップマラム(チューベローズ)の甘い香りが漂い始めていました。バルコニーからは遠くの水平線上に点在する漁火と空港を離発着する飛行機の灯りを眺めることができ、これもまた幻想的です。
夕食を済ませて再び戻る頃には部屋のターンダウンも済んでいて、ベッドは天蓋のカーテン(蚊帳)が下ろされ、ベッドサイドにはコーン型のお香がセットされていました。寝る前に火をつけてみましたが、これがとても良い香り!ベッドルームの窓にはウッドブラインドの他に遮光ブラインドが付いていて、ターンダウン時にはこのブラインドが降ろされます。リビングには可愛いボックスに入ったお菓子も置かれていました。すべての部屋のバルコニーにはキャンドルが1本ずつ用意され、これを灯せば一人旅の寂しさもなんのその(笑)。ラブラブカップルに負けじとムーディーな夜を楽しみます。
なお、ホテルの敷地内は、ほぼどこでも無料でインターネット接続が可能です。部屋に通された際にスタッフさんが接続のためのパスワードを教えてくれ、敷地内は共通のIDとパスワードで接続でき、一度PCやスマートフォンを設定すればどこででも利用できます。パブリックスペースはWi-Fi接続のみですが、部屋のデスクには有線LANポート付きのルーターが設置されていてLANケーブルを使った接続もできました。この充実したネット環境のもと、ターンダウンで用意されたお菓子とミニバーのトニックウォーターをお供にメールチェックに勤しんだのでした。
ミニバーといえば、ザ レギャン宿泊者の共通特典として、ミニバー内のソフトドリンクが無料で飲めますので、ドリンクリストは必見です。「With Our Compliments」に記されているものが対象なのですが、アルコール以外であればほとんどが無料です。私が宿泊した1ベッドルーム デラックス スイートにはミニキッチンが付いていて、ティーセットやエスプレッソマシーン、湯沸かしポット、グラス類が用意されていました。
翌朝は早起きして、誰もいないプールやビーチの写真を撮るべく外に出てみました。まだ夜が明ける前でも、幾人かのスタッフさんがプール周辺の清掃や1日の準備をしていました。かくして、誰もいないプールの写真を撮影することは叶わなかったのですが、何気なく利用するパブリックスペースが毎日こうして丁寧にセッティングされていることを知り、隅々にまで感じるザ レギャンの快適さの理由と、私がこのホテルに一目惚れした理由が分かったような気がしました。
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【レストラン】
朝食はレストランでいただきました。宿泊人数に対して充分な広さと席数があるのでしょう。窮屈さは感じられず、両隣のテーブルとも適度な距離感が保たれていて、自分のペースでのんびりとした時間を過ごせます。基本的はビュッフェ形式ですが、卵料理はオーダーできますので遠慮なくお願いしましょう。ビュッフェの品揃えこそオーソドックスですが、パンや料理はもちろんのこと、飲物やカトラリー類まで細かく補充されるので、たとえ寝坊して遅めの朝食でレストランを訪れても大丈夫です。
また、レストランに入る際に告げたルームナンバーによって、どのテーブルに誰が座っているかという情報を常にスタッフさん全員が共有していたことも好印象でした。ちょっとしたサービスを受ける際にも、名前できちんと呼ばれると嬉しいですものね。外出でフロントに鍵を預ける際も、ルームナンバーを告げるだけで即座に「いってらっしゃい、yuzuさん」という風に呼びかけられますし、これが繰り返されると、ホテルがまるで自宅のような、スタッフさん達が仲間や家族であるかのような気持ちになるから不思議です。
旅行は楽しいものである一方、慣れない環境に身を置くことにより知らず知らずのうちに多少のストレスを抱えてしまうものでもあると私は感じています。これまでは、ある一定以上のグレードのホテルでぐっすり休むことができれば充分だと思っていて、宿泊するホテルのクオリティまでを気に留めたことはなく、むしろいわゆる「高級ホテル」は自分には分不相応だと思い込んでいて敬遠していました。でも、今回、ザ レギャンに宿泊したことでその考えが変わりました。
それはたとえばメリハリとでもいうのでしょうか。これまでの旅行と変わらず限られた日程や予算の中でも、時には施設やサービスが整ったホテルの快適な部屋で、ほんの数泊だけでも贅沢に過ごしてみるというほんの些細なことが、心身の回復を促し、日本に帰ってからの活力をもたらすということに気づいたのでした。
by yuzu(2011/06)
